渡辺 則子(愛知県)


経営者として、人として、大先輩の則子さん。チャーミングで明るい則子さんのご活躍に接するたびに、笑顔と元気をいただいています。石材屋さんの傍らハスワークの主催もしていただいています。どんな想いで主催をしてくださっているか、お話しを伺いました。

石材屋さんと聞いて、最初は驚いたものです。正直、人生のうちに何度も足を運ぶお店ではないですから。そんななかハスワークの主催もしていただき、いつもありがとうございます。

お浄土のお花・ハスが手作りできると知った時は衝撃でした。そして実際に体験すると、不器用な私でも出来ることに感動しました。ご先祖や故人を忍び、お仏前・仏様にお供えする「供花としてのハス」を作る会や、ここまで命の繋いでくれた顔も名前もわからないご先祖に想いを寄せてのハスワークを行っています。

本当にそうですよね。ご先祖さまや、そのご先祖さまを生かしてきたであろう数多の命たちがあっての私たちです。そういう命の繋がりに感謝をしてのハスワーク、素晴らしいと思います。

私にとって蓮は、石工職人の祖父や父が造る石の仏像で、ハスワークと出会うまで、「蓮は、仏師や石工のように一人前の職人になるための修行をした人が造り出すもの」だと偏った認識でした。蓮はそれだけ尊いものということです。老若男女、誰でもできるハスワークに感銘を受けました。日本人の供養のカタチ、供養の在り方は多様化し過渡期を迎えています。韓国生まれの蓮紙(はすかみ)が広く受け入れられている日本社会にも多くの可能性を感じています。

なるほど、「蓮は、一人前の職人さんが造り出すもの、それだけ尊いもの」。その世界から、「レシピもない、子どもから大人までどなたでもどうぞ」のハスワークに出会われた。両極端とも思える在り方の違いがありますが、違いをものともせず、主催してくださっていることに、とても感謝しています。

命を繋いでくれた、顔も名前もわからないご先祖様に想いを寄せてハスを作る時、感謝のキモチが芽生える方が多いですが、そうでない方が一定数いらっしゃいます。「ありのままの今を受け入れる」ことで、前に進めるきっかけになれたら嬉しいです。私自身、ハスワークを通じて沢山のご縁を頂き、多くの仲間と出会えたことはかけがえのない宝です。感謝です。

代々の家業を営んで来られた方の視点といいますか、たいへん貴重なお話しが伺えたと思います。お墓のみならず、さまざまな価値観が大きな変化を迎えています。沢山のご先祖さまから頂いた私たちの命、共に生きること、出逢えることに感謝をしながら、自分という命をより大切にしていこうと思えました。ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

こちらこそこれからもよろしくお願いします!

渡辺 則子(愛知県)

1907年創業四代続く石材店を営む父母のもとに産まれる。お墓づくりに携わり28年(2023年現在)。2,000件以上のお客様のお手伝いに関わり、終活セミナー講師として墓じまいのご相談に応じている。ボーイスカウトの指導者、民生児童委員として地域活動がライフワークとなっている。